マレーシアの中央銀行であるマレーシア国立銀行は10月18日、規制サンドボックスの内容を発表しました。本年7月に発表したディスカッションペーパーに対するフィードバックを受けて、同日より内容が施行となり、申し込みも受け付け始めています。
サンドボックスの立ち上げにあたっては、一か月に渡って60を超えるFintech企業や金融機関、業界組織等からのフィードバックが行われたとされます。その結果、当初よりもサンドボックスを提供するための定義を広くとった形となりました。
サンドボックスを提供する定義として、同中銀は
1.金融サービスへのアクセス、効率性、セキュリティや質を高めるもの
2.金融機関のリスク管理における効率性や実効性の向上
3.マレーシア経済における金融仲介や、
に向けた改善を期待するものとなります。
応募を行う企業は実際に機能するプロダクトを開発した上で、様々な業務リスクを理解し、実現可能なビジネスプランの中で、リスク管理に向けた経営資源を確保することが求められます。
中銀側は、サンドボックスへの申請があれば15営業日以内にその可否を伝えることとなります。その後、細かな協調を経て実際のテストが行われます。
サンドボックスの内容文の中では、規制サイドがマネロンやテロ組織への資金供与、消費者の公平な取扱い、顧客情報の機密性などの基準を持つのと共に、マレーシア特有ともいえる、シャリア・コンプライアントなイスラム金融手段を確保することも述べられています。アブダビにおける取組みもそうですが、イスラム金融も含めたこのような進展がみられることは、イスラム金融も含めて、制度競争の中にサンドボックスが頻出するテーマとなる点を如実に表しています。
(ご参考:これまでのサンドボックス記事)