アブダビでのRegulatory Sandbox

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5月10日、アブダビの金融当局では同国のRegulatory Sandboxに関する意見公募を公表しました。

アブダビの当局であるFinancial Services Regulatory Authority(FSRA)では、RegLabと呼ばれる制度の創設に関する意見公募を行っています。同取り組みの概要としては、FSRAが承認するFintechプレーヤーがRegLabの中で活動する限り、通常の規制の対象としない、とする内容となっており、予め限定した業務・顧客範囲におけるノーアクションを定めるものとなっています。

RegLabのあり方について、FSRAはその詳細に関するペーパーの中で3つの手段を述べています。

1)テストへの参加意思のある顧客への適切な情報開示:例)専門性の高い顧客を対象とする場合

2)影響ないし顧客層へのアクセスを制限すること:例)金融知識のあるリテールセグメントにアクセスする場合

3)既存の金融機関によるコンプライアンス体制の保証:例)マネロン対策は既存の銀行・証券口座を活用する際には減免するケース

なお、プレーヤーごとに、テストが可能となる期間は2年間となるとのこと。その間にFSRAはFintech企業を支援し、2年が経過する際には通常の規制体系の中に適合することが求められています。

アブダビは、経済ヴィジョン2030などの国家計画の中で、金融を従来から重要産業の一つと位置付けてきました。Regulatory Sandbox自体の適用はロンドンやシンガポールにおける検討が有名であった中で、それ以外の地域からも金融センター構想を持つ一例が出てきた形となります。

オーストラリアでもSandboxに関する議論が6月には意見募集が行われる見込みとなっており、各国での議論はますます注目が深まっていきそうです。

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