Squareが銀行免許を申請

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WSJ報道によれば米Square社は9月7日、銀行業への進出を行うことを明らかにしています。

銀行名はSquare Financial Services Inc. となる予定で、ユタ州に登録される銀行としての申請になる予定です。当初の資本額としては56百万ドルを予定しており、SoFi、Varo Moneyに続いて3社目の、銀行免許申請を行うFintechサービスとなります。

本ブログでも何度か言及してきましたが、米国ではトランプ政権による金融規制の変更の前から、Fintech型銀行の創設を巡ってダイナミックな議論が行われてきました。その法制度上の動き自体は本格化してないものの、州法ベースでの銀行として、新しい規制レジームに先駆けた動きが見られているといえます。

同社はもともと米国においては、Square Capitalという名称でのレンディング業務を行ってきており、裏側にはCeltic Bank(同じくユタ州)の機能を活用してきました。Square Capital自体はトランザクショナルレンディングの代表例ともいえ、レジを通った情報を元に与信を行い、無理のない返済プランを自動的に提供したりと、多くのプレーヤーの参考ともなってきました。これまでの累計で14万社以上、18億ドル(約2,000億円)の融資を行ってきています。

Squareが今回申請したのは、産業用ローンに特化した免許であり、伝統的な銀行ライセンスではありません。とはいえ、同免許種類でも預金の受け入れ自体は可能となっています。WSJ記事の終盤にもあるように、本来の定義でいうところの非金融企業が銀行を保有することについては、他業禁止規制のある伝統的な銀行との公平性における議論があります。ユーザーの利便性から見た場合には、Square自体が預金という安価な資金調達手段を得ていくことや、いかにもSquareであれば便利そうなサービスが出せそうな期待値もあるところですが、今後、どのような議論が行われるのか、実際の成立まで動向が注目されます。

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