夏休みの宿題を早くやらないと太って借金体質になる!?

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早くも8月末。世間では夏休みが終わり、新学期が始まっています。

先週末は、子どもの宿題の追い込み(身代わり?)で忙しかったお父さん、お母さんもおられるのではないでしょうか。

今回は夏休みの宿題への取り組み方が、大人になったときに及ぼしているかもしれない、こわい影響についてお送りします。

夏休みの宿題、早く終わらせるか、ぎりぎりまで手を付けないのか。
世の小学生が何十年も前から突きつけられている、永遠のテーマにも思えます。

しかし、近年の行動経済学の研究では、どうやら宿題への取り組み方が、休みの終わりに親に叱られるだけにとどまらない、もっと「おおごと」である可能性が浮かび上がってきています。
大阪大学の社会経済研究所が実施している様々な調査・研究では、「夏休みの宿題をいつやるか」という問いとして取り上げられています。

先延ばしの度合いで、アンケート対象者を2つのグループに分けた後、それぞれのグループの生活習慣や資産の状況について見たのが、以下の結果になります。

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池田新介(2012)『自滅する選択』東洋経済新報社 図1-5 より編集・引用

このグラフの結果は、なかなか衝撃的です。
夏休みの宿題を後回しにする傾向が強かったグループでは、誤差とはいえないレベルで

  • 負債を負いやすく
  • 太りやすく
  • タバコを吸いやすく
  • ギャンブル習慣があり
  • 飲酒習慣がある

ということが判明しました。
これはもちろん傾向の話であり、先延ばしにしなかったグループでも太ったりギャンブル習慣があったりする人たちはいます。ですが、日常的にさまざまなことを「先延ばしにする」クセを付けてしまうと、それが大人になってからの人生に影響を及ぼす影響には中々こわいものがありますね。
では、太らず、ギャンブルに走ったりしないためにはどうすればよいか。

上記の研究を進められた池田教授の著書※によれば、このような習慣を直していくためには、多く見ると3つの方法があるとしています。

それぞれ夏休みの計画性に当てはめると
1)意志の力に全面的に頼らず、正しい選択ができるような手段を作る
→夏休みであれば:午前中は宿題をやる時間、などと決め事を家の中で決めて守る

2)計画期間を短く刻んで、行動計画を立てる
→夏休みであれば:今日は算数、明日は図工など、個別のタスクに分けて進める

3)欲求のスイッチが入る前に、決断ができる環境を作る
→夏休みであれば:遊びの約束は、計画立てて行う。いきなり遊びに行ってはいけないとなります。

どうやら、小さいころ親に叱られていたことの多くには、理論的な裏付けがあったのかもしれません。

どうでしょうか。本年はすでに後の祭りかもしれませんが、来年は、いや、明日から、もうちょっと早く、しんどいことに早めに取り組む良い理由になるのかもしれませんね。


池田新介(2012)『自滅する選択』東洋経済新報社

Photo by apdk

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